自然を守る仕事ってどんなことをするの?

こんにちは、マキレイです。
私は15年以上、自然環境にかかわる仕事をしています。
 
でも、「自然環境」と一言で言っても、
なかなか想像でいないですよね。
 
よく、
「どういう仕事をしてるんですか?」
「どうやったら自然にかかわる仕事ができますか?」
と聞かれます。
 
そこで今回は、
自然環境にかかわる仕事の種類や、
私が経験してきたこと、
また、自然にかかわる仕事をしたいという方に参考になるように、
どうすれば自然にかかわる職業に就けるのか、
について、説明していきます。
 
 

自然を守る仕事の種類

 
日本国内に限って言えば、
大きく分けて、以下の5つに大別されます。
 

教育機関(大学や大学院、専門学校など)

 
農学部や獣医学部など、
森林や動物を扱う分野の学部はもちろんですが、
工学部の土木系や、理学部の生物系などでも、
様々な分野で環境にかかわる学びがあります。
 
これから大学を選ぼうとする方は、
自分がどういったことに関心があるかを中心に据えて、
どの学部に入ればどういう研究ができるのか、
そしてその先にどんな就職先ががあるのかを検討するのが良いと思います。
 

公務員(環境省や農林水産省などの国の機関、地方自治体など)

 
林業系、水産系、獣医系など、
環境にかかわる公的な仕事は沢山あります。
また、地方自治体などでは、
環境の分野を専門としていない人でも、
最前線の現場で活躍していることもあります。
 
 

民間企業(調査会社、環境資材取扱業者など)

 
環境調査会社は、
植物や動物、水質、土壌などなど、幅広い分野があります。
 
また、環境資材を製造・販売している会社もねらい目です。
 
例えば、
野生動物が農作物被害を出さないようにするために、
農地のまわりに設置する電気柵があります。
電気柵を開発して販売するためには、
動物の特性や、周辺環境によって異なる設置方法など、
様々な知識と経験が必要になります。
 
 

NPO・NGO等の団体

 
企業と異なり、利益を追求することが主目的ではない法人です。(利益を追求してはいけない、ということではありません。)
 
NPOは「Nonprofit Organization(非営利団体)」という意味で、
社会に貢献するような活動を、
営利を主目的とせず行う市民団体です。
日本では、所定の手続きと資格に基づけば、
法律で法人格が与えられます。
 
NGOは、「Non Governmental Organization(非政府組織)」という意味で、
政府の対応が及ばない分野について、
政府に変わって活動する団体です。
NPOに比べて、国際的に活動している団体が多いです。
 
 

フリーランス(個人事業主)

 
環境調査やガイド等の業務を、個人でしている立場の人もいます。
主に個人事業主として、
企業や公共機関から依頼された仕事を請け負います。
 
先に述べた4つの場所(教育機関、公的機関、企業、NPO/NGO)
での業務を経験していたり、
その関係者と仕事で接する機会が多かった人が、
仕事を任せられる場合が多いでしょう。
 
また、
エコツアーガイドや、山岳ガイド、アウトドアスポーツのガイドなどを通して、
自然を守る方法を広めたり、その実践をされている人もいます。
 

私の経験

 
私は、大学卒業後、
自然環境保護団体いわゆるNGOに就職しました。
5年ほどで退職して、
NPOや地方自治体のプロジェクトにかかわった後、
フリーランスとして、
ライター・編集業務や、データ整理業務等を請け負っています。
 
最初に就職したNGOは、 
戦後まもなく、日本の研究者が
「尾瀬湿原」の自然を守るために組織された団体でした。
 
中学3年生の時に
「自然を守る仕事をしたい!」
と志した私にとっては、
理想の職場でした。
 
私がいた約15年前は、
自治体や民間企業と比べるときちんと組織だっておらず、
「必要な仕事は、手が空いている人が、何でもやる!」
という状況でした。
 
 
シンポジウムやセミナーの企画・運営や、書籍の編集のほか、
環境省の官僚と法律改正についての議論をしたり、
国会議員のところへ出向いて、国会質問のレクチャーをする、など、
状況を把握して、知識をインプットして、
とにかく上司について回る日々でした。
 
そんな中でも、私が一番好きで大切にしていた仕事は、
中学生の総合学習対応でした。
修学旅行で上京した中学生のうち、
自然保護に興味があるグループの子たちが、
事務所に話を聞きに来るのです。
 
小学生の頃の私がそうだったように、
彼ら彼女たちも、
「この日本の自然、地球の環境が、これからどうなっていくのだろう?」
「そのために何ができるのだろう?」
という疑問を持って、私に問いかけます。
 
 
10歳の時に「大人はどうして自然を壊すの?」
という怒りを持っていた私も、
もうすっかり「大人の側」です。
 
子供たちの疑問に答えて、
その解決先を示してあげられる大人になりたい。
 
そう思いながら、真剣勝負のやり取りをしました。
 
 
 
「自然を守る現場」というのは、
何も山や川や自然がある場所でだけ行うとは限りません。
もちろん、現地に足を運ぶことは最も大事なことです。
でもそれ以上に、時間と労力を費やす場所は、会議室です。
 
 
立場や価値観の違う人たちに、
自然環境を守ることの重要性を伝える、
折衝する、時に妥協する。
 
科学的な判断を下す、
経済的影響も考慮する、
市民の感情・情緒も大事・・・。
 
自然を守る仕事って、
相手は自然ではなくて、人間なんだな、
 
と痛感しました。
 
 

自然を守る仕事をするには

 
「自然」と一言で言っても、多種多様にあり、
あなたが、どんなことに興味や問題意識を持っているのか、で
学んでおいた方が良い内容も、選択する職場も大きく変わります。
 
私が高校生だった頃に比べて、
自然環境にかかわることを学べる専門学校や大学も、
ずいぶんと増えました。
 
また、私たちのまわりにある自然環境問題も変化しています。
 
例えば、
イノシシやシカなどの野生動物が、都市部に出没する問題や、
 
お堀や池に大量に生息する外来魚(もともとは日本に生息していなかった魚類)や
アライグマやキョンなどの外来種問題は、
テレビで放映される機会が増えました。
 
まずは、あなたが一番情熱をかけられそうな分野が何か、
を決める事が近道かもしれません。
 
それが決まれば、
どんどんその現場に行って、
関わっている人に会いに行ってみる。
 
そして、
ボランティアでも何でもよいので、
実際に体を動かして汗をかいてみる。
 
そういった姿や情熱を示すことで、
人や仕事のご縁が繋がることがとても多いのがこの業界です。
 
私自身もそうですが、周りの友人知人も、
そういういった経緯で仕事をしている人が多いです。
 
ぜひ、チャレンジしてみて下さい。

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